ゲームソフトの中には「ディレクターズカット版」と言われるものがあります。
通常版とディレクターズカット版では何が違うのでしょうか。
そもそもディレクターズカットの意味とは?
まず、ディレクターズカットとは、どういう意味なのか?
ディレクターズカットという言葉は映画でもよく使われますが、ちゃんとした意味を調べてみると、
アメリカのハリウッド映画では伝統的に映画の最終的な編集権(ファイナル・カット)は映画の製作者であるプロデューサーが有する。ディレクターズ・カットは、プロデューサーによって不本意な編集を行われた監督(ディレクター)が当初劇場公開されたバージョンとは別に改めて編集した映画のバージョンである。この作品は映画館で再公開されたり、ソフトでリリースされることが多い。
と、いうことのようです。
制作時に採用するはずだった要素の中には製作期間や上映時間の都合などでカットされてしまったり、監督(ディレクター)にとって不本意な状態で公開されてしまった場合に、改めて追加編集したものが映画でのディレクターズカット版ということでいいかと思います。
ようはカット、削られてしまったものを追加して出しなおすのが映画のディレクターズカットということですかね。
でも、ゲームにおけるディレクターズカットは映画とは少し異なる場合もあるようです。
ゲームにおけるディレクターズカットは映画とは少し異なる場合も
映画のディレクターズカット版はカットされた要素を追加したものでしたが、ゲームの場合はカットした要素を追加したのではなく、追加製作した要素を盛り込んでる場合もあるようです。
コジマプロダクションの小島秀夫監督もゲームのディレクターズカット版という言い方についてツイートされています。
映画でのディレクターズ・カットとは監督に編集権がなく、不本意のうちに公開されたか、上映時間を短くせざる得なかったために短縮したものに追加編集したもの。ゲームでは削られたものではなく、追加製作したものを入れ込んでいる。デレクターズ・プラス?だから、僕的にはこの呼び方は好きではない。 pic.twitter.com/9MhxLmdqtr
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) July 12, 2021
ゲームをプレイするユーザー側としては「カットされた要素が含まれる」でも、「追加製作したものが含まれる」の場合でもゲームのボリュームが増してるということに変わりはありません。でも、ゲームを作ってる側からすると、この違いは大きいのかもしれませんね。
ディレクターズカットという名称を使う必要はあるのか
ここからは完全に余談ですが、追加要素が含まれるゲームソフトが発売される場合にディレクターズカットという名称を使う必要はあるのでしょうか。
映画の場合と全く同じ意味ならディレクターズカットという名称で統一した方がいいかもしれませんが、小島監督のツイートを見る限り、実際には少し異なる部分もあるようです。
それこそ「ディレクターズプラス」や「完全版」、「○○○+」というような名称を使ったほうが作る側、遊ぶ側、どちらにとっても良いように思えます。
ディレクターズカットという言い方を使ったほうが分かりやすいという意見もあるかもしれませんが、映画のような本来の使い方とは違う場合もあるようですし、映画をあまり見ない人にディレクターズカットと言ってもピンとこない人も多いと思います。
なんとなく追加要素があるのかな?とわかるような気もしますが、私もゲームにディレクターズカットという名称は使わなくていいのではないかなと思います。
以上です。